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ごはんを食べよう国民運動推進協議会主催

「米粉と日本酒の消費拡大をどう図るか」

とき 平成24年11月9日
ところ 航空会館5階501・502会議室(東京都港区新橋)
講演T「自給率アップにも貢献!これからの日本の食文化を支える米粉の魅力」

陣田 靖子 氏(リマクッキングスクール師範科卒、米粉料理研究家)

陣田 靖子
リマクッキングスクール師範科卒、米粉料理研究家

東京都出身。東京都在住。都内にて穀物菜食の料理教室と米粉のパン&スイーツの教室を開催。米粉マイスター協会の認定講座や、都内、関東周辺の生協団体、JAなどにて料理講師など多数務める。yasming’s kitchen主宰。著書に「100%米粉のパン&お菓子」「100%米粉のパン&お菓子<2>」「子どものお弁当」「米粉100%のもっちりパン&しっとりスイーツ」「シュタイナーのおやつ」ほか。

 ご紹介にあずかりました陣田靖子です。いつもはエプロンに三角巾をしまして、左手にはフライパンや鍋を持ち右手には木ベラとか菜箸を持って、作業しながらお話しいたしますので、緊張感はまったくないんですけれども、今日は皆様の前で何も持たずにお話するということでちょっと緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず自己紹介を兼ねながら米粉に出会ったきっかけなんかもちょっとお話ししながら、本題の自給率アップに貢献というところで、これからの食文化を支える米粉の魅力っていうところの話に入っていけたらなと思っています。
 まず私は19年ぐらい前になります、ちょうど長女を妊娠したときに自然食に傾倒しまして、それからまったく分野は違うんですけれども、もともと大学は普通に文学部英文学科っていうとこを卒業して銀行に勤めまして、まったく関係ない日々を送っていたんですけれども、専業主婦になったときにやっぱり食と向き合うことというのが多くなりまして、妊娠をきっかけに自然食に傾倒して、そこでマクロビオティックっていう穀物菜食、ご飯を中心に考えた菜食のお料理を習う教室に通い始めました。そこで初級、中級、上級、師範科と進みまして、ちょうどもう13年目になりますが、教えるようになりました。
 その中で地道に、自宅で料理教室、あとは公民館を借りたりというところでやったりとか、あとは生協団体さんとか、子育てサークルさんにお呼びいただいたりとか、スローフード協会さんからお呼びいただいたり、JA関係の方からお呼びいただいてるというところでお声掛けていただいて、お教室を進めてまいりました。
 その中で大体もう10年ぐらい前からすでにアレルギーという症状で、アレルギー対応の食事を教えてほしいという生徒さんがたくさんいらっしゃったんですけれども、7年前ぐらいからやはり今度は小麦のアレルギーをお持ちのお子さん、またはそういうお子さんがいらっしゃるから、自分も母乳あげているので食べられないというお母さんがお教室に来るようになりまして、そこで米粉と出会いました。

 

というのは私も今まで師範科まで出ていますけれども、米粉を使ったお料理というのは一切教えてもらったことがありませんでしたし、米粉といえば今までは和菓子の材料ということで、大福だとか団子とかという形では何回か自分も教えたことがありますし、教わったこともあるという形だったんですが、そのほかで例えば焼き菓子だったりとかパンだったりとか、そういう形でもしくは料理に利用するという形での米粉を使ってきたことがなかったんですね。ですが、アレルギーのお子さんも増え、そういう方たちも増えというところで、どうしても小麦以外のものを使ったもので対応しなければならなくなってきました。その当時は米粉以外にも、例えば雑穀が結構話題になり始めた頃でして、雑穀なんかも出てきてたりとか雑穀の粉なんかも出てきていたんですが、実際その雑穀の粉ってとっても本当に扱いにくかったりエグかったりして、普通のアレルギー以外の方たちに進めるのにはちょっとと自分でも思ったこともあったりとか、あとはやっぱり米粉は、結局私たちは米民族、日本人ですから2,000年のDNAに刻まれたお米が大好きっていう血が流れているわけです。なので、私は米粉でいこうと思いまして、そこから米粉の研究を始めました。  実際お教室で、特に私お菓子とかパンが得意だったものですから、それまではもちろん天然酵母と小麦を使った小麦のパンなんかも教えていたんですが、じゃあ米粉を使ったときにどうやってやろうと。米粉で最初に私パンを作る前にケーキを作ったんですね。パンは難しそうだからケーキの方が失敗しないんじゃないかと思って、まずケーキを作ってみました。そうしましたら日頃の鍛錬がききまして、まあまあほどほどにおいしい米粉のケーキができたんです。そのケーキを食べたときに、今まで食べたことのないしっとり感、もっちり感、小麦にないおいしさをすごく感じまして、そこで自分が米粉の魅力に取りつかれてしまいました。
 そこでとにかく米粉のパンとかお菓子とか、お料理とかを作るようになって、レシピを作りました。そこで家の光協会さんから声を掛けていただいて、JA関係の出版社の関連の方なんですけれども、今はそちらからも4冊ほど本を出させていただいています。あと河出書房新社さんからも、やっぱり米粉関係の本を出させていただいてます。そこまでなりました。
 私が米粉100%で作るパンとかお菓子のパイオニアだと思って自負しています。というのはどこも教えてなかったのを自分で開発してったからです。やってるうちに本当にもう体にも良くって、今まで小麦のパンは三日とか続けて食べていくと、自分の体調が悪くなったりとか肌が乾燥したりとかっていうのが、もう人体実験で分かってたんですね。なのに米粉だと、米粉のパンやお菓子というのは、撮影のときなんかは特に1カ月近くぐらい食べ続けます。なのにもかかわらず便秘にもならないし肌もあれなかったんです。これは体にもいい、おいしい。
 ちょうど当時私が使い始めた頃に、ちょうど技術革新があって、米粉が今までの上新粉とは違って粒子が細かい製菓用、パン用の米粉が出始めた頃でした。そういった中で私が米粉に傾倒していったわけです。
 ここで本題に入っていきたいと思います。お手元の資料をご覧いただけるとありがたいのですが、その資料にしたがって話を進めていきたいと思います。
 まず米粉なんですけど、言わずもがな先ほども林先生の方からご紹介いただきましたが、元は米なんですよね。元の米を知らないと米粉が見えてきませんので、もう皆さん十分ご存じだと思いますが、復習を兼ねながら、お米のことについて少しお話させていただきます。
 まずお米はうるち米と餅米に分けられますよね。さらにうるち米は、私たち日本人が日本で育てられてるものはジャポニカ米、あとはインディカ米、ジャパニカ米に分けられるものでした。お米なんですけれども、餅米とうるち米の違いが分かると、米粉もうるち米と餅米の違いでかなりの違いが出てきますので、そこがどうしてなのかということが分かってきます。
 まず米はでんぷん分子の集まりですから、そのでんぷん分子には種類がありまして、餅米はアミロペクチン100%です。うるち米はそこにアミロペクチンが75から85%、そこにアミロースという別のでんぷん分子が入っています。それが15%から25%です。この数字の範囲というのは、ササニシキ系だったりコシヒカリ系だったりという、ちょっと餅系に近いものはアミロースが少ない。ササニシキのようなちょっとパサッとさっぱりしたようなお米は、アミロースが多いというふうに思っていただければ分かりやすいかと思います。
 私たち実際にお米を食べたときには、餅米とうるち米の違いってかなりはっきり分かりますよね。これは餅米である、これはうるち米であるってことがかなりはっきり分かると思います。これが粉になったときに、もっとダイレクトに商品、製品、ものになったものに表れてきますので、どんなものを作るかによって使い分けなければならなくなります。もともとの米が何であるか、米粉を作ってる元の米が何であるかっていうのはとても重要なことです。
 ちょっと下の図をご覧ください。今作付け面積の地図が載っているんですけれども、実は今はコシヒカリが主流というか1位で、1位がコシヒカリ、ひとめぼれ、3位があきたこまち。全部コシヒカリを掛け合わせてった兄弟、姉妹という形なんですね。そうするとアミロースが少ない、どちらかというとアミノペクチンが多い餅米に近いお米が多くなっています。そうすると最近小麦アレルギーだけじゃなくて、たまに米のアレルギーの方っていうのも出てきましたよね。それはやっぱり餅系に近いお米が上昇してるっていう理由があります。餅米は体をすごく熱するというかあったかくしますよね。そうするとお米自体にアレルギーを起こすような成分がなくっても、体をあったかくしてしまう、温めてしまうことで、アレルギーを出しやすくしてしまってるっていうことの方が大きな理由だと思います。米に原因があるというよりも、餅米に近いお米を食べるということで体をあっためてしまう、熱を持たせてしまうということで、アレルギーを出しやすくしてしまうということが理由の一つです。

 昔から本来日本人が食べるべきお米はササニシキ系というのが、自然食業界というか私たちの中では今勧めていることです。というのは、やっぱり餅米というのはハレの日、ケの日っていって、ハレの日に食べてたお米です。それに近いものを常食するというのは、やっぱりいつも体を熱くしてしまうようなことになってしまいます。普通うるち米は薬膳の考え方でいきますと中庸といいまして、体を熱くもせず冷やしもせず、いつも平静平温の温帯地方に生活している私たちにはぴったりの食材なんですね。なのでササニシキがだんだん作付け面積がすごく少なくなってきて、枯れてしまうことをちょっと懸念しまして、ごはんを食べようということですので、もう少しササニシキも食卓に上がってくるといいなという思いも込めて、ちょっと今ここで皆様にお伝えさせていただきます。
 というのも、あとササニシキは少しさっぱりパサパサしてるということもありまして、実はパンなんかを作るときの歯切れの良さを出すのに一役買ってくれます。ただやっぱりコシヒカリとかあきたこまちなんかの粉になると、もっちりという感じが出てきますので、その辺のブレンドっていうのも、商品の開発にはいろいろと考えなきゃいけないところだと思うんですが、小麦のようなパンの歯切れの良さを求めるのであれば、ササニシキ系のお粉は、どちらかというとパンとかに向くというふうに思っていただけるといいかなと思います。というところで、ササニシキは決してまずいというふうに、まずくはないですね、私はササニシキを食べるように日頃しているんですが、どうしてももっちりで甘いというか、そういうコシヒカリ系が好まれてしまうのかなと、ちょっと残念に思っています。
 ただそれでちょっとこの点々の四角の中に地図のあるところありますけれども、そうやってアミロースが少ないお米を掛け合わせてコシヒカリ系を作っていったところで、今度アレルギー対応の、結局それが多いことによって、アレルギーが起きてしまうってことが分かってきたものですから、今度は反対にハイアミロース米なんていう、多分福井県かなんかで開発されているはずなんですが、結局アミロースが多いササニシキであれば良かったのにもかかわらず、そこを改良してってしまったので、そういう部分で今度はここのアミロース部分が多い、ハイアミロース米なんていうのもアレルギー対応に開発され始めました。あとほかにはじん臓病や、糖尿病患者さん向けの機能性米なんかも今開発されているところです。
 米粉なんですけれども、話を戻しまして。米粉は文字通り米を細かく粉砕して粉状にしたものを米粉といいますが、古くは奈良時代に始まりまして、従来は和菓子を作るための材料でしたが、最近はパンや洋菓子も使えるように製粉方法、この製粉方法についてはまたのちほどお話さしていただきますが、製粉方法が画期的に良くなりまして、それで最近パンやケーキ、クッキーなどの焼き菓子専用菓子に向く米粉が開発されました。それが最近米粉というふうにいわれて売られているものになります。
 昔から米粉としてあるものが上新粉なんですよね、同じですね。うるち米100%のお粉、上新粉が昔からある米粉です。ただそれは上新粉という名前で、和菓子の材料としての認識しかなかったんですけれども、それが同じうるち米のお粉でもあるのにかかわらず、製粉方法が変わって、ものすごく細かく焼き菓子にも向くように、パンにも向くように製粉されたお粉が米粉として、今売られているようになっています。 うるち米を粉にしたもの。これは生粉というんでしょうか。結局ベータ型ですね、火を通されてないものが上新粉なんかに。あとまた細かくなったものが製菓用、パン用に米粉としてあります。あとは糊化、アルファ化されたもの、これは焙煎したお粉ですが、これは割と自然食品店なんかに栄養食品の一つとして、溶いてそのまま食べるような形で焙煎したお粉なんかが売られています。
 韓国では今ちょっと焙煎した雑穀の粉、米の粉、玄米の粉なんかを禅食って書くんですけど、ブレンドして飲むのがとってもはやっていて、それが体を維持するのにいいということで、普通に買えるようにはやっています。新大久保なんか行くと、その禅食が新大久保にも入ってきて、自分でブレンドを決めてお粉を食べれるようになっています、焙煎しています。そういうものもあります。
 あと餅米を粉にしたものもありまして、これが特に和菓子文化が奈良時代に始まってから、江戸時代にはもう体系が全て整ってる感じなんですけれども、その時にたくさんお粉ができまして、4ページにもたくさん書いてありますけども、それで餅米を元にしたお粉がたくさんあって、生粉が要するに餅粉、白玉粉、上南粉っていうのが生粉になるんですよね。あと糊化したアルファ化を、真挽粉や寒梅粉にみじん粉、あと道明寺粉なんかがよくあるお粉です。

 昔からあるんですけど例えば、真挽粉なんかはよく懐石料理とか食べに行くと、白いプツプツっとごぼうにくっついてたりとか、お魚揚げたものにくっついてたりとかそういうのありますよね、あんなのだったりとか。和食屋さんに行くと見ることができると思います。あれも火が通されていますので食べれます。寒梅粉なんかは豆菓子よくカリカリッて食べますよね。お豆が入って回りがカリカリとした、よくいかピーとかいろんなそういうのがあったりとか、豆菓子。あんなの回りのカリカリした皮は寒梅粉でできてます。あと落雁だったり打ち物といってお砂糖と一緒になって、落雁のカリカリッとお茶の席に出るようなお菓子知ってますか。ご存じでしょうか。そんなものも全部餅米と砂糖でできてるんですね。
だから昔から探してみると、米粉でできたお菓子、あるんですね。道明寺粉なんかは、関西の桜餅は道明寺粉でできてますよね、関東はちょっと違ってるけど。あとつばき餅なんかも道明寺粉です。
 実際うるち米100%のお粉でできてるお菓子で有名なものには、京都の八ツ橋があります。あれも昔からの米粉のお菓子です。あのカリカリッとした固い食感が、米粉ならではの特徴だと思っていただけるといいと思います。サクサクした小麦の柔いものを作りたいとなると、ちょっと米粉の特徴とは外れてしまいます。そこに近づけようとすると、いろいろほかの副材料とかを加えていかないと難しいと。もう八ツ橋がそのものを表してます。あとおせんべいなんかも分かりますよね。餅米で作ったかき餅は結構サクサク柔らかいですけど、うるち米で作ったおせんべいなんかは、結構カチンカチンと固い噛みごたえのある。米粉はそういうイメージだと思っていただければいいと思います。
 ということで、米粉にはこんなに種類があります。画期的なのは製粉方法が変わったということで、本当に用途が広がってきました。粒子の大きさはどれだけ変わったのかというと、図に書いてありますが、上新粉、普通私たちが今までうるち米100%米粉、昔から使っていた米の粉が180ミクロンで、微細米粉、最近出てきている製菓用・パン用の米粉が40から70ミクロンです。これだけ違います。これだけ変わってきたのは、気流粉砕製粉というのが出てきまして、これで割と細かくなっていったと。この気流粉砕製粉にも、いろいろ特許を取っているところとかいろいろあります。ここでもやっぱりかなりの細かさの違いっていうのも出ているようなんですけれども、この気流粉砕製粉で、今までは胴搗き製粉とかそういう形で、胴搗き製粉なんかは要するに上新粉なんかの、これで上新粉は大体胴搗き製粉ですよとか、よくパッケージに胴搗き製粉上新粉なんていうふうに、パッケージに書かれて売られていました。昔は胴搗き製粉なんかされてると、おいしい上新粉っていうようなイメージだったんですけど、それがもっと細かくなって気流粉砕製粉で細かい粉になりました。
 水分の調整もそこで12.5%と書いてあるんですけども、これもメーカーというか、機械を使われてるとこによって多少の違いがあります。約だと思ってください。この粉砕したときの水分の飛ばし方の違いによっても、米粉を利用したとき、レシピをつくるときの水分量の調整に関わってきます。あとは先ほどの粒子の大きさ、上新粉と製菓用の大きさではかなり違いますよね。そうすると水分の含み方がかなり変わってきます。もちろん出来上がりも違ってきます。それで、レシピ改良がちょっと難しくなってくるんですね。同じうるち米のお粉であっても粒子の大きさによって違ってくる。水分の飛ばした水分量、含有量によっても違ってくる。最初に申し上げたササニシキ系かコシヒカリ系かのお粉によっても違ってくる。餅っぽいお粉だったらネチネチしちゃうし、ササニシキ系でパサッとしたお粉だったら、さっきも申し上げたように歯切れがいいとか。そういう形ですごく対応がしにくいんですね。でも今はこうやって粉が出てきています。ただ小麦の場合は、要するに販売されている時点で薄力、中力、強力という形に用途別に販売されてるものですから、われわれ消費者は間違うことなく買ってこれるわけです。失敗する確率が低くなるわけです。ですが、まだ米粉の場合は生産されてる方もどんなものに用途に向くか米粉なのか、製粉されてるところも販売してるところも、どれに向く、どういうレシピに向く、どの料理に向く米粉なのかっていうことをまったく認識しないまま、ただ粉になってれば米粉っていう形で出しているので、そこも消費者が戸惑う原因の一つになっていました。ちゃんと用途別にきちんと、これは例えばササニシキ系であるとか、コシヒカリ系であるとかっていうところでも表示があるだけでも、かなり変わってきます。これはもっちりしちゃう粉なのね、これはさっぱり歯切れのいいお粉なのね、ちょっとクッキーとか作ってみましょうかとかっていうところで選びようがあるんですね。皆さん失敗しちゃうから消費者もなかなか手にとりません。だって高いと感じてますから失敗したくないですよ。小麦は一袋国産の小麦でも200何十円、300円以下で買えます、1キロ普通にマーケットで。だけれども米粉は地元のお粉だったら1キロ600円か700円で買えるとこもありますけど、普通に流通している菓子食材屋さんみたいなとこで買うと1,000円超えます、1キロ。そうすると失敗したくないですね、皆さん。そこがまず消費者に行き渡らない原因の一つです。アレルギーの方たちはしょうがないから買います、高くても。小麦が食べれないから。今米粉として、うるち米のお粉があったり餅米のお粉があったり、粉砕の仕方が違ったりお米の種類が違ったりということで、同じお米の粉でもすごく扱いが変わってくるということを、まず生産者、販売する方、私たちみたいに料理を教える人、消費者、そこが認識しないことには米粉を利用していけないと思っています。それぞれのところで努力が必要だと思っています。
 米の種類、粒子の大きさなどによって何が変わってくるかというと、レシピの対応の中で水分量の調整ですよね、まずね。この水分量の調整をしさえすれば、どのお粉を使っても何でもできるということが分かれば、皆さん小麦じゃなくて米粉を使うと思うんですよ。実際まだ家庭の中では、そういう形で失敗するのが怖いし、どういうふうに使っていいか分からない、何に向いてるのか分からないからやっぱりストックされてるのは小麦粉です。小さい器か何かに入れて、すぐ小麦粉は使えるような状態にキッチンに多分ストックされてると思います、普通のご家庭は。私はそれを米粉に変えたいと思っています。普通に使うものは米粉、ストックされてるものは小麦粉でなくて米粉。何でもできるんです。違いが分かるとどういうものに利用していいかということが分かってくるので、そこを私は皆さんにお伝えしていきたいなと思ってます。
 さて利用するにあたって、実際米粉をどうやって利用していったら一番商品の拡大につながるかと考えたときに、やっぱり今は加工食品見ていただくと、ほとんどが小麦を使ってるんですね。今日お帰りになられるときにマーケットとか、例えばコンビニでもどこでもいいです。原材料の表示を見ていただければ、何にでも小麦入っています。お料理に関してだって、私たちもちろんうどんとかパスタとか、パンとか小麦製品食べていますし、あとはカレーやシチューやそういうルーみたいなものもそうですよね、小麦を使われていますし。あとほとんどのスナック菓子が小麦です。あとは焼き菓子、ケーキとかもちろんクッキーとか、そういうものも全部小麦ですよね。それが米粉にとって代わったらば、どれだけ消費が拡大になるかというふうに、私はもう本当にわくわくしてしまうんですけれども。
 まず自給100%。結局先ほどお話にありましたように、お米は自給100%できるわけです。今それだけ消費されている小麦っていうのは、86%が輸入されています。その86%輸入されてる小麦、これを米粉に少しでもシフトできたらどうでしょうか。今自給率39%だというお話がありました。その39%の自給率を、例えば86%輸入の小麦の20%を切り替えると、食料自給率が3%アップするという試算が出てます。これは以前日経新聞の方から出てましたんで、政府と自治体の試算に出ておりました。その3%をアップするということは、結局計算しますと約5分の1を米粉にシフトすると、皆さん大体週何回ぐらいお米の製品を食べてらっしゃいますか。私は多分毎日食べてるんじゃないかと思うんですけど、そこを譲って1週間に5回ぐらい小麦を食べてるとします。そうしますと月に20日食べてるわけです。この5分の1を小麦をやめて米粉にシフトすると、月に4日だけ米粉を食べると3%アップに貢献できるんです。ということは月に4日ということは週1なんですね。私皆さんに週1米粉運動っていいまして、週に1回でも米粉を食べることで、自給率3%アップに貢献できるというふうにお伝えしています。2回食べればお隣の人のうちの分まで自給率アップに貢献できる。何回も食べればそのまたお隣のうちまでという感じで、どんどん増えていきますので、何回も食べられる方は自給率3%アップにすごく貢献できるということです。

 これだけ食文化が豊かになって、結局先程もお話がありましたけど、ご飯を粒で食べるってことが難しいですよね。要するに「1日3食粒で食べよう」と一生懸命言っても、やっぱりパスタは食べたいしうどんだって食べたいし、パンだって食べたいからねっていうことになると、やっぱり「ごはんを食べよう」って言っても駄目なんですね。やっぱりそこを小麦から米粉に変えてあげることで、すごくレパートリーが増えていきます。例えばよく食べるギョーザの皮なんかも米粉でできるわけですし、最近はうどんやパスタなんかも米粉でできました。マカロニなんかもあります。パン粉なんかも米粉でできてきてます。そのほかにお菓子類、パン、焼き菓子、クッキーやケーキや何でも米粉でできます。カレーのルーもできます。最近カレーのルーも出てきましたね、米粉で作るカレーのルー。そういう形で米粉にいくらでもシフトできます。ということで、小麦の製品もどんどん米粉にシフトしていこうと私は考えているんですが、なぜそれが難しいかというと、扱いが違うんですよね。単純に「じゃあ変えましょう、米粉に変えましょう」って言って、単純に変えてうまくいくかっていうと、それは商品を作るにあたってとても難しさがあるんです。それは小麦と米粉の違いについて、成分が違うのでまったく同じようにすぐに変える、代替できるということではないんですね。そこが工夫が必要なので、いくらでももし変えるということであれば、例えばそういう知識がある私たち米粉マイスターとかを利用していただいて、どんどん変えていくのに使ってもらいたいです。
 どうやって小麦の製品を米粉に変えたらおいしくできるか、流通に乗せられることができるかということを、米粉マイスターの人たちはもう学んでいます。なので皆さんご協力できます。今は北が仙台から南は九州まで約140名の米粉マイスターがおります。そのほかにインストラクターとして、そういう知識をお伝えするインストラクターも10名ほどおりますので、どんどん利用していただきたいんです。こういった形でお話をする機会をたくさんいただきたいと思っています。
 米粉と小麦の違いについてをちょっと見ていくと、これからどうやってシフトしていけばいいかということが見えてくる。この成分表が80キロカロリー栄養成分表って、よく栄養学を学んでる方とか栄養士さんの方とかが、こういうちっちゃいポケット成分表みたいのをお持ちになってらっしゃると思いますけれども、それを利用させていただいた表を作りました。円グラフもそれを利用させていただいて、こちらで円グラフを作っております。一応この成分表には米粉っていう項目はないんですね。最近は米粉っていう項目はまだなくて、上新粉という項目しかないんですが、その上新粉で見ました。また餅粉っていうのもなくて白玉粉という記載はあるので、白玉粉で使いましょうっていうことで、餅粉と白玉粉を基本で使わせていただいています。小麦はちゃんと薄力、強力っていうふうに分かれて、きちんと載っているんですね。なんか小麦の方が優位に立ってるっていうか、小麦はちゃんと薄力という強力みたいに分かれてきちんと載ってるのに、お米の国の日本がちゃんとそういうふうに載ってないところが、上新粉と白玉粉しか載ってないところがちょっと残念だなと思いますね。 ここで見てもらうと、実は面白いことにちょっと違いで、あと私が発見したことに面白いことがあるんですけど、食品成分のところを見てもらうと、小麦粉って実は米より6倍も食物繊維を持っているんですよね。にもかかわらずパンは便秘しますよね。それは人体実験で分かりますよね。パンばっかり食べてると便秘します。やってみてください、三日間パン食べ続けてみていただければ分かると思います。でもお米は繊維が6分の1しかないのに便秘しないですよね。これは私たち薬膳の方も勉強していますが、そういう薬膳の方から考えますと、やっぱり米は水分をちゃんと保ちながら出してくれる作用があるというふうに考えています。小麦は焼くことが多いので、体の中の粉が腸にぺたんとくっついてしまってなかなか出にくい。水分を保ちながら出す力があまりないのかなというので分かってきます。あと面白いのが脂質です。脂質が実は小麦の方が倍なんですね。円グラフを見てもらうと分かるんですが、小麦粉を置いておくとすごく酸化しやすいんです。米粉はものすごく酸化しにくいんです。同じように置いておくと、米粉の方が粉で置いておいたときに保管がしやすいんです、脂分がないので。酸化しにくい。変なにおいがしてこない。こんないいことをないと思うんですけどね。実際お料理作るときにもお菓子作るときに、小麦粉って必ず振るわなきゃいけないんですよ。脂分が多いので1回振るって離してあげないとくっついちゃうので、きちんと膨らまないんですよ。だけど米粉は油分がないから振るわなくていいんです。ひと手間省けるんです。すごいですよね。一番違うところはグルテンがないところなんですね。米粉にはグルテンがなくって、小麦にはグルテンがあるということが一番違いなんですけど、それが今パンにできるかできないかっていうところなんですね。結局グルテンがあるからパンになるわけで、グルテンがない米粉をパンにしようと思うと、グルテン添加するわけです。ここで考えてほしいことが、私たちは米粉を使って米のパンを作って、米の消費を拡大したいと思いながら、実際はグルテンを使うことによって、小麦の消費の拡大も一緒にしちゃってるんですね。それは米粉パンの現状っていうところをちょっと見ていただくと分かるんですけれども、米粉パンと売られているものはほとんどグルテンが添加されています。食パン1斤を米粉300グラムとしますと、小麦グルテンをその中に15%から20%必要になってきます。それを計算しますと、45から60グラム添加してるわけで。その45から60グラムのグルテンっていうのは、実際どのくらいの量からの小麦からそれを抽出しているかっていうと、びっくりしますよ。25キログラムの小麦粉から取り出せるグルテンの量っていうのが1.3から2キロ。この差っていうのは、薄力のところからはグルテン量が少ない。強力のところからはグルテン量が多いので、少ないものは薄力から、多いものは強力からというふうに思っていただければいいと思います。その1.3から2キロ、25キログラムから取り出せると。じゃあ食パン1斤300グラムを作るときに使うグルテンの量、45グラムから60グラムが、実際どのくらいの小麦の量を使ってますかといったら562.5から750。300グラムの米粉のパンを作るのに、倍以上の小麦を使っていると考えたら、ちょっと本末顛倒ですよね。なので私はパンを作るときにはグルテンを添加するんじゃなくて、それだったら小麦強力粉に米粉を10%、20%加えて普通に作るもの、もしくは米粉100%で作るパンとは違う代物ですけれども、パン状に焼けますので、そういうものの別物として広めていった方がいいんじゃないかと。わざわざ小麦のパンに似せようと思って作るから、グルテンを添加しなくちゃいけなくて、結局米粉を消費しながら倍以上の小麦も消費してしまってるということ、そこを分かってないんですね。いかにも米粉をパンで米粉の消費量に貢献してるっていうふうに思いながら、そこが見えてないんですね。そこを私は強調したいと思っています。わざわざいいところをとったらいいんです。小麦には小麦のいいところがあるんで、小麦のパンは小麦のパンでいただいたらいいし、米粉には米粉のいい良さがあるので、そこを利用したものを作っていって、開発してって食べたらいいと思っています。
 というところで、良さを活かして米粉の消費につなげていきたいなと思っています。米粉の良いところなんですけれども、日本人の体に合っている。米を主食とする土地に暮らす人全般に当てはまります。腹持ちがいい。パンは1個でおなかいっぱいになりません。だけどご飯、米粉のパンはご飯と同じようにおなかにズシッときます。四角く焼けたおにぎりと同じなんですね。そのくらいズシッときますので腹もちがすごくいいんです。で、便秘になりにくい。和食、洋食のおかずのどちらにもあいます。 ヘルシーなメニュー提案ができます。和食にもあいますからヘルシーなメニュー提案できます。バターとかたくさん使わなくてもおいしいメニューがたくさんできます。体に負担のかからない糖代謝です。小麦よりもずっと米の方が負担なく対処できます。 懐かしい私たちの、米民族のDNAに刻まれた懐かしいおいしさがありますから、どの人にも好まれると思います。自給率にもアップ、自給率に貢献できます。ちょっと米粉に変えるだけで、私たちが3%アップに貢献できるので、もし何かあったときにその39%、40%を切っている自給率の中で、私たち日本人が食べ物を奪いあうようなことをしたくないじゃないですか、そんな醜いこと。だったらやっぱり自給率100%のできるもので、どんどんいろんなものを作ってかなきゃいけない、加工して作っていかなきゃいけない。
 また、今私たちマイスターのところに、モデル事業じゃないんですけれども、長野県の原村というところがとても米粉を一生懸命頑張ってやっていまして、米粉を作るにあたっては減反しなくてもいいということで、今米粉のためだけの田んぼということでやっているそうです。そういう意味では環境を守る、私たちの環境を守るということにもつながっていきます。日本の農業の維持発展。環境を守るということに変わる。
 あと、嗜好品にも利用できますので、嗜好品に利用できれば本当に拡大しますよね。なんとかを使ったお菓子、パン、ケーキっていうことに利用できれば本当に拡大できると思いますので、そこでいくらでもマイスターが協力いたしますので、是非お声掛けいただきたいと思っています。
 実際に世界にも通ずると思っています。最近見てきました韓国や香港でも、もう米粉がトレンドになりつつありました。なんならば中国は必ず月餅を食べます。お彼岸とかと一緒ですよね、ああいうので月餅を食べます。その月餅の皮が米粉でできた白い餅粉でできた月餅がはやっています。韓国の餅菓子、トックケーキ、全部米粉でできています。実際に今韓国に広めたいという方が出てきています。このレシピは通ずると、韓国料理の先生が一緒に広めたいということで協力を申し出てくれています。 私はあと欧米といえばアメリカの方にも行って見て来ました。実際アレルギーというのは、日本人はアトピー性皮膚炎といって外に出やすいアレルギーなので、すごく分かりやすいから皆さんすごい気にされるんですけど、実際グルテンアレルギーっていう欧米の方もたくさんいらっしゃって、欧米の方は外に表れるよりも中に表れる。下痢をしたりもちろんアナフィラキシーショックみたいなのもありますけれども、外に表れにくいから、私たちが見てもあの人アレルギーだわっていうのが分かりにくいだけで、グルテンアレルギーはすごく多いですね。だからグルテンフリーの食材っていうのが、今すごく注目で。クリントン元大統領のお嬢さんが、チェルシーさんが彼女はグルテンアレルギーで、結婚式のケーキがグルテンフリーのケーキで結婚式を挙げたそうです。今、この間サンフランシスコに行って見てまいりましたが、カップケーキがすごくはやってるんですね。カップケーキっていうのは普通米粉でできています。そのカップケーキの普通のお店です。自然食品とかそういうとこではありません。普通の人が買うお店に、必ずグルテンフリーのケーキが3種類、4種類置いてあります。食べました、私もちろん、全部。必ず韓国行っても餅菓子とか右から左まで全部食べるんです。でも日本の米粉は勝てます。勝てるしおいしいです。
 しかも最初は地元の例えばお米の粉を使って、やり方を募集してもいいかもしれませんが、実際おいしいのは日本の米粉なので、将来絶対に日本の加工品が向こうに売れるんじゃないかと、私は今期待しています。特に西海岸の方は、健康に対してすごく敏感な方たちがすごくお住まいですし、お金を掛けるのには食と住だという方たちみたいなので、そこから火がつくんではないかとちょっと今狙っている場所です。今はだから韓国と実はカリフォルニアの方を狙っています。あとは日本国内です。いくらでも活用してください、マイスターは全部知識がありますので。よろしくお願いいたします。
 この利用方法に関しては、もう全てのお料理に関して利用できますので、見ていただければいいかと思います。中途半端に終わってしまいましたけれども、つたない講演でございましたがこれで終了させていただきたいと思います。よろしくお願いします。


文責:ごはんを食べよう国民運動推進協議会事務局

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