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ごはんを食べよう国民運動推進協議会主催

「FOOD ACTION NIPPONについて」

とき 平成21年7月10日
ところ 都道府県会館(東京都千代田区)

上條 典夫(FOOD ACTION NIPPON総合プロデューサー/(株)電通 ソーシャルプランニング局長)

上條 典夫
FOOD ACTION NIPPON総合プロデューサー
(株)電通 ソーシャルプランニング局長

ソーシャル消費の時代

 今日はこのごはんを食べよう国民運動にお招きいただいて、みなさまに私どもの取組を紹介させていただく機会を与えていただき大変感謝しています。これからキーワードを用いてFOOD ACTION NIPPONについて説明させていただきます。
 さて、わたしの肩書きにあります、「ソーシャル消費」という言葉をきいたことがあるでしょうか?これは、もはやかつてのように『個』の価値観のみに立脚した閉じた消費者像ではなく、質や絆を重視した新たな消費行動、スタイルを意味します。そして今後の消費者はこの「ソーシャル消費」という消費スタイルが一般化していくと私は考えています。
 例えばカーボンフットプリント。個人や団体、企業が活動していくときに排出される二酸化炭素を調べて把握し、二酸化炭素の可視化しようというこころみで、企業が自社の商品にそれを表示したりして、他社との差別化を図り、消費者に訴えようとしています。
 また、最近注目されている緑提灯。地産地消に取り組むお店がこの緑提灯を掲げて消費者に訴えかけています。
 このような「ソーシャル消費」の概念を踏まえ、今日の本題である食料自給率の向上について考えていきましょう。

我が国のライフスタイルの変化と食料事情

 まず、各都道府県ごとの一般世帯数を、「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」、「夫婦と子からなる世帯」、「ひとり親と子からなる世帯」、「その他の一般世帯」の5つに分類した場合、そのうち最大の割合を占める家族類型はどうなるでしょうか。2005年現在、単独世帯が最大の割合を占めるのは16の道府県ですが、これからの日本ではどんどん単独世帯が増加し、2025年にはすべての都道府県で単独世帯が一番多くなります。
 世帯数の変化というのはすなわちライフスタイルの変化を意味します。数十年前まで、親・子・孫の3世代同居はごく普通のものでした。それが高度経済成長期に核家族化がすすみ、そして今後その流れはとまらず、単独世帯が増加していくと予測されています。
 ちなみに、世帯数そのものは2010〜15年をピークにして、じわじわと減少が始まると考えられています。
 次に、我が国の食料自給率をみてみましょう。主要な先進国と我が国の食料自給率を比較してみますと、我が国はそのなかでも最低水準の40%程度となっています。
 食料消費構造及び食料自給率の昭和40年の状況と現在の状況を比べてみると、全体の供給熱量にしめるお米の割合が大きく低下している一方、畜産物の占める割合が大きくなっていることがわかります。そしてそれと同時に食料自給率も大きく低下し、昭和40年に70%であった食料自給率が先ほど述べたように40%程度まで落ち込んでいます。つまり、私たちはこの数十年でライフスタイル、そして食生活を変化させた結果、今や食料の60%を外国に依存しており、何らかの事態で外国からの食料供給が止まってしまうと、私たちの食生活は大きな影響を被ってしまうという状況におかれています。
 こうした状況をすべての国民の皆様に認識していただき、食とのかかわりを新たに考えようということで、政府では、平成19年7月から「食料の未来を描く戦略会議」を開催いたしました。そして、戦略会議から平成20年5月に出されたメッセージに呼応する形で、平成20年10月に食料自給率向上に向けた国民運動「 FOOD ACTION NIPPON 」が立ち上げられました。

FOOD ACTION NIPPONの取組について

 FOOD ACTION NIPPONの目標は「“おいしいニッポンを”残す、創る」ことです。そのために、 2015年度に食料自給率45%の実現を目指して様々な事業に取り組みます。 多くの消費者が、国産農産物を選択して食べることで、農業生産者の方々はより多くの国産農産物を作ることができるようになり、食品に関わる企業・団体の方々から、国産農産物を使ったより優れた商品や料理、食生活が提案され、それによりさらに多くの人が国産農産物を選択していく。その結果、豊かなおいしい国産の食品に満ちた、日本という国をつくっていきたいと願っています。

 さて、食料自給率を高めていくためには、国はもちろん、みんなが力を合わせることが必要です。一人ひとりがこの状況を「自分ごと化」して行動につなげていくことが重要です。そのために私たちは、次の5つのことをみなさんに「自分ごと化」していただき、行動にうつしていただこうと考えています。
まず、1つめとして、「いまが旬」の食べものを選ぶことです。「旬」の農産物は、もっとも適した時期に無理なく作られるので、余分な手間を必要としませんし、味もよく、栄養もたっぷりで、体にも環境にもやさしい食事が実現できます。
 2つめは、地元でとれる食材を日々の食事に活かす、つまり地産地消ということです。私たちが住んでいる土地には、その風土や環境に適した農産物が育ちます。身近でとれた農産物は新鮮です。一人一人が地元でとれる食材を選ぶことが、地域の農業を応援することになります。地元農業の応援はもちろん国産農産物の応援になります!
 3つめはごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけることです。油のとりすぎは様々な生活習慣病を引き起こす原因にもなっています。ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけましょう。
 4つめは食べ残しを減らしていくことです。日本では食料を大量に輸入して大量に捨てています。この現状を踏まえ、家庭においても、食品の無駄な廃棄、食べ残しを減らしていかなければなりません。食料の無駄を減らすことは、食料輸入を少なくすることにもつながります。
 5つめは自給率向上を図るさまざまな取組みを知って応援していくことです。米粉を使ったパン・麺といった新メニュー、国産の飼料を使った牛や豚、鶏、地産地消地域ブランド、直接契約による生産などのさまざまな試みを知り、味わうことがこれらを応援するということにつながります。

 次に、FOOD ACTION NIPPONの組織体制です。FOOD ACTION NIPPONには活動を行うにあたって推進本部が設置されていますが、そのなかで、さらに国民運動の総合戦略を企画検討する「推進組織」、各地・各分野で国民運動推進のための具体的な事業を展開する「推進パートナー」、推進組織の活動を盛り上げる「応援団」があり、それらがベースとなって国民運動を推進しています。
 推進組織は国民運動の活動計画を策定する推進組織で、有識者、事業者、企業などから構成される委員会及び3つの部会を立ち上げ、国民運動の活動方針や企業アライアンスの手法の開発、ポイント制度や認証マークの検討、顕彰事業等の仕様を策定していきます。
 推進パートナーとは、国民運動をサポートする流通・食品などの企業、旅館・ホテルなどの事業者、大学や地元経済界、自治体などで、これらと連携・協力し、市場の現場や全国各地域での国民運動の推進を目指指定校と考えています。
 応援団は、著名人、芸能人、アスリート等を対象に国民運動を支援してくれる方々からなり、様々なイベント事業や広報活動に参画していただいたりして、国民運動の盛り上げにご協力いただこうというものです。

 さらに、国民運動「FOOD ACTION NIPPON」をさらに推進するために、2009年度は「FOOD ACTION NIPPON アワード」を創設しております。このアワードは、食料自給率向上に寄与する事業者・団体等の取組みを一般から広く募集し、優れた取組みを表彰することで、食料自給率向上に向けた活動を広く社会に浸透させ、私たちや未来の子供たちが安心しておいしく食べていける社会の実現を目指していこうというものです。この会場にいる皆様も是非ご応募いただければと思います。

 次にFOOD ACTION NIPPONをさらに推進するためのロゴマークを紹介します。これは国民のみなさんにこの運動を周知・理解してもらうため、このマークの露出拡大を行っていこうというものです。これは国産比率が高いことを認証するマークではなく、あくまで運動に参加する資格を有していることを認証するマークと定義付けておりまして、運動認知促進ツールとしての意味づけで、マークの露出の機会拡大を目指しています。

結語

 さて、このような取組の結果、現在、1,329社がこの運動のパートナーとして登録いただいているところです。みなさんも是非パートナーとなって一緒に運動をしていただければと思います。
 今後、このごはんを食べよう国民運動推進協議会さまとも、様々な形で連携していきながら運動を進めていければと考えております。本日は本当に貴重な機会をありがとうございました。

文責:ごはんを食べよう国民運動推進協議会事務局

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